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NTB(新型帯鋸製材)システム

高速型帯鋸盤

開発した新型帯鋸とのマッチングを
トコトン追求した究極の帯鋸盤です。

耐振動性能を向上させ、
鋸車には耐摩耗性素材を採用、新型帯鋸に
フィットするような微細な形状を施しました。

また、鋸車回転性能、セリー、おが粉への配慮など
様々な改良も加えました。

究極の帯鋸を作り上げました
新型帯鋸

鋸割れを起こさず、高速製材が達成できる究極の帯鋸を作り上げました。

最大の特徴は、目立加工における、腰入れと背盛り加工を不要としたこと。

また、緊張力の極端な分布を無くしたことで、鋸割れリスクが大幅に軽減され、さらに、高速型帯鋸盤に装着して、60m/分以上の製材性能が容易に発揮させるようになりました。

試行錯誤の開発ストーリー 〜T&Iの一喜一憂の物語〜

製材速度を担保できない帯鋸盤では、ユーザーの発展に応えられない!

これまで、帯鋸は目立士さん任せ、ユーザー様での製材性能は鋸次第としてきました。

また、時代の流れと共に有能な目立士の方々もリタイヤされる状況となる中、性能が安定し、鋸割れしにくい帯鋸を作ることができれば、製材生産はもっと安定し、製材の高速化も可能になるのでは…?と考えたのが開発のきっかけでした。

 
2008年、世界の中で生き残っていける製材機械メーカーに発展するためにはと、並々ならぬ決意で開発に臨んだのが当社社長(T)と帯鋸の発展の可能性を信じていた地元の目立士(I)でした。当社には昭和40年頃まで目立学校(県職業訓練校目立科の前身)が併設され、先々代社長(Tの父)が講師を勤めたことから鋸作りの知識が残っていたことも、開発の後押しとなりました。

従来は、目立士さんが帯鋸盤に合わせて鋸を作ってきた

従来技術

一般的に、帯鋸盤で帯鋸を掛ける鋸車の接触面(=鋸車面)は、平坦に研磨されます。

しかし、平坦な鋸車面に素材のままの帯鋸をかけても、鋸は安定しません。

そのため、目立士さんは、腰入れと背盛り加工を帯鋸に施す必要がありました。

この加工を全周に亘って均一に施すことや、帯鋸盤や製材条件に合うように加工の程度を変えるには、経験と勘が求められました。


“速く挽ける鋸には強い腰入れをするべき”という観念を持つ目立士さんは少なくありません。

しかし、強い腰を入れた鋸は、鋸割れが発生しやすく、鋸を修復する手間が増え、鋸の寿命を縮めてしまうという欠点があり、高速製材が可能な帯鋸の製作は非常に困難なものでした。

平坦な鋸車面上を帯鋸が安定して走行できるように、帯鋸に腰入れと背盛り加工が施してありました。機械の状態に鋸を合わせる発想。目立士の技能と経験的な判断が必要でした。

腰入れ加工・背盛り加工

歯を抜いた帯鋼を円柱形に溶接接合し、鋸身を金属ローラーで何度も圧延し、幅中央部を湾曲させ(腰入れ加工)、歯のない縁(背側)の円周を長くする(背盛り)加工を行っていました。

腰入れ加工の様子。金属ローラーを押し当てる位置と強さを変化させながら行います。

腰入れ、背盛り加工不要の帯鋸の開発とベストフィットする帯鋸盤の追究!

新技術

T&Iは考えました。ロールやヒートを入れるから鋸身が弱くなり、割れやすくなるのではないかと(※)。背盛りした環状の帯鋸を切り開いて延ばせば、アーチ状になるのだから、素材をアーチ状に削ってみればいいのでは?

早速、やってみると、背盛りだけをしたものと同じ形状の帯鋸ができました。

その後、アーチ半径をいろいろ変えて、従来の帯鋸盤に掛けて実験を繰り返すと、従来の製材速度でなら挽けるアーチ形状がだいたい特定できたのです。これは、意外とすんなりうまくいき、2012年7月に特許第5050043を取得することができました。

※現時点では、必ずしもロールやヒートが素材を痛めているのではなく、極端な緊張力分布が鋸割れの原因と推測されます。

規格品として流通している7インチ(178mm)幅で長さ7600mmの素材から円弧形状を研削加工で切り出すと、幅が約19?少なくなり、歩留まりが悪い

規格品として流通している7インチ(178mm)幅で長さ7600mmの素材からアーチ形状を研削加工で切り出すと、幅が約19?少なくなり、歩留まりが悪い。

 

 

そこで、現在は、帯鋸素材の長さを半分に切断し、それぞれをアーチ状に研削し、4.8mmだけの減少にとどめるようにしている。

しかし、腰入れ無でアーチ研削した帯鋸では、さらに速く挽こうとすると挽き曲がりを起こし、また、何かの拍子に鋸が前後しやすい状況でした。

ここからがT&Iの試行錯誤と苦悩の連続でした。

新型帯鋸で高速製材を実現するまで、実に4年の歳月を費やすことになりました。


鋸車面を様々な形状に加工し、鋸を掛けてみましたが、なかなか鋸が落ち着く形状が見つかりませんでした。

ある時、鋸車の中央にゴムを焼入れてみました。

するとこれがすんなりとうまくいき、70m/分で製材することができたのです。

しかし、3週間もすると、鋸は幅の中央で鋸割れを起こしてしまいました。この時、平坦に作ったはずのゴムの形状が変化していました。また、帯鋸を鋸車に掛けた時に、鋸は幅方向で独特の反りをすることに気づきました。

これが、大きなきっかけとなり、ある確信をもって、新型の帯鋸にフィットする鋸車面形状の追究を進めることができるようになり、2013年1月にアーチ研削だけの帯鋸で80m/分の製材を実現することができるようになりました。

この鋸車面形状の凹凸は1/100mmオーダーの非常に微細なものです。

 

鋸車面を1/100mmオーダーの凹凸形状に加工することで、帯鋸の走行安定性を確保しました。帯鋸加工のあいまいさを排除し、ばらつきが少ない帯鋸制作が可能となり、機械側と帯鋸の両者の性能を高め、製材における高い生産性を実現しました。

スギ挽き幅200mmで最高速度90m/分、70m/分は安定的に実現!

実は、鋸車面形状だけでなく、帯鋸盤の振動、おが粉への配慮、鋸車の高速回転化、セリー位置の重要性、帯鋸盤の振りの重要性など、開発過程で高速製材のために帯鋸盤に求められる様々な要求が見えてきました。そこで新しい高速型帯鋸盤には、それらを反映した設計が施されることになりました。


さて話はまた帯鋸に戻って、高速製材ができるようになったと思っていた矢先、またまた問題発生です。

アーチ研削だけの鋸では、鋸によっては挽き肌が悪かったり、挽き曲がりを起こしたり、場合によってはバックしたりとまだ不安定な要素が残っていたのです。

一難去ってまた一難。そこで、Iは考えました。鋸そのものの反りを何とかしよう。

Iの目立士としての長年の経験がものを言いました。

帯鋸を鋸車に掛けた際に鋸身が反るのを抑える処理だけを施す方法を見い出したのです。

この新型帯鋸は、すこぶる安定して、高速製材が実現できるようになり、最高速度90m/分(これは実験機の走行能力の現在の限界で、走行能力を上げればまだまだいけそう?)を達成できました。ランニング試験では、70m/分が安定的に営業運転で実現できています。これまでの苦労が報われた瞬間でした。


また、この新型帯鋸は従来の帯鋸と違い、アーチ研削により一定の背盛りが与えられており、腰入れもされていないので、歯先研磨により摩り込まれて鋸幅が減っても腰を入れ直す必要がありません。

現在までのところ、新鋸から35mm摩り込んでも、高速製材性能は維持できることを確認しています。


さらにこの新型帯鋸に特徴的なこと、いや、T&Iが理想と捉えていたことは、従来のように帯鋸への緊張力が歯側と背側のみに強く分布するのではなく、歯側と背側にはいくぶん強い緊張力が働くものの、鋸身全体にも緊張力を分布させ、鋸身全体で座屈に強くしたいということでした。

実際に、鋸の張り具合を手で確かめ、また鋸車面と帯鋸との接触面との接触圧力を発色の強さで知ることができるプレスケール(富士フィルム製)を用いた検証を繰り返すことで、現在は理想と考えていたものに極めて近い接触状態となっています。

製材速度35mから70m/分になった場合、生産量は22%UP!

例えば、現状で3m原木1本を製材速度35m/分で4通し、サイクルタイムが54秒であった場合、1シフトの実稼働時間を25000秒とすれば463本の原木を製材していることになりますが、70m/分の製材速度になると、サイクルタイムは44秒となり、568本の原木消費が可能となります。実に105本(約22%)の大幅生産量増になります。(ちなみに、ランニング試験では、鋸交換は1シフト1回で済んでいます。)

2015年春に、本格販売開始予定!

現在、3か所の製材工場様でランニング試験を実施しております。

特に、高速製材性能を維持するために重要な鋸車面の摩耗量を見極め、より安心してご利用していただける状態を確認するまで、今しばらくお時間を頂きたい状況にあります。

2015年春の本格販売を目指して、また、凍結材への応用も含めて努力を重ねているところであります。

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