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(株)大井製作所ニュース 2010年 9月号 Vol.11

2010年 木材利用の新時代が始まる

森林林業再生プラン

〜コンクリート社会から木の社会へ〜

昨年末、農林大臣は「コンクリート社会から木の社会へ」を基本理念として、「森林・林業再生プラン」を実践すると発表。建築学会など建築関連17団体も、木造禁止路線から一変「木材の積極的利用」を打ち出しました。また、公共建築物木材利用促進法の10月施工を控え、いよいよ、本格的な「木材利用の新時代」の幕開けです。

 

林野庁が昨年12月にまとめた「森林・林業再生プラン」は、10年後に木材自給率50%以上という目標を掲げ、低炭素社会の実現を目指すとしています。路網の整備、森林施業の集約化及び必要な人材育成を軸として、効率的かつ安定的な林業経営の基盤づくりを進めるとともに、木材の安定供給と利用に必要な体制を構築し、我が国の森林・林業を早急に再生していくための指針を示しています。

 

基本方針は、ドイツ並の路網密度の整備を達成し、(1) 施業の集約化を図り低コスト化を実現する(2) 搬出間伐へ転換し資源として活用する(3) 国産材の課題解消として安定供給を実現するとのこと。特に、(3)に関しては国産材の加工流通構造の改革として、小規模、分散・多段階の構造から大規模・効率的な加工・流通体制へと整備するとしています。その他には、国産材住宅の推進、公共施設等への木材利用の推進、バイオマス利用の促進などが挙げられています。

 

菅首相も、予算編成を前に、林業再生で地方雇用の拡大につなげていきたいと発言しています。政府としても、林業の「業」としての再生が、雇用と二酸化炭素排出量削減のための重要課題の一つと捉えていることが伝わってきます。環境を重視する風潮が高まり、木材、特に国産材への関心が一段と高まっていくことが期待されます。

木材利用促進が期待される各種の政策に期待

【公共建築物木材利用促進法施行へ】

「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が成立し5月26日公布、10月1日から施行されます。この法案は、国土保全などのために林業の再生を図らねばならない状況を踏まえ、現在、木造率が低く今後の需要が期待できる公共建築物にターゲットを絞って、国が率先して木材利用に取り組むとともに、地方公共団体や民間事業者にも国の方針に準じて主体的な取組を促し、一般建築物への波及効果を含め、木材全体の需要を拡大することを狙いとしています。国の基本方針では、耐火建築物が求められない低層の建物で、3階以下の庁舎・職員宿舎、それ以外の2階建て建築物が木造化のターゲットとされ、木造化できない場合でも内装等において木材利用が推進される見通しです。さらに、木材製造業者に対しては、公共建築物に適した木材を供給するための施設整備等の計画を農林水産大臣が認定することにより、無利子融資を特例措置で受けられるなどの支援も実施されます。(詳細は次のトピックで)

【住宅版エコポイント制度さらに延長検討】

本制度は、持家・借家、一戸建ての住宅・共同住宅の新築とエコリフォームが対象で、1000億円に達するまで年内の申請を受付中。さらに政府は、給湯器、太陽光発電、トイレなどの省エネ機器にも対象を拡充してさらに1年の延長をする模様です。

 

新築住宅では、

(1) 省エネ法に基づくトップランナー基準相当の住宅、(2) 省エネ基準を満たす木造住宅であること、エコリフォームでは、(1) 窓の断熱改修、(2) 外壁、屋根・天井又は床の断熱改修、(3) バリアフリー改修が対象で、新築、改修いずれも最大で30万エコポイントまで申請することができます。7月末で10%強の予算消化率に留まっているといいますが、エコ窓の出荷は好調で、新築住宅での申請が延びてきているとのことです。

【フラット35Sの金利優遇】

「省エネルギー性」「耐震性」「バリアフリー性」「耐久性・可変性」のいずれかの基準を満たす住宅を買う場合、フラット35の当初10年間(長期優良住宅は20年間)の金利を0.3%引き下げるのが「フラット35S」でしたが、さらにこの金利引下げ幅を当初10年間1.0%に拡大する(長期優良住宅は当初10年間1.0%次ぎの10年間0.3%)というもの。どのくらい得になるかというと、3000万円を借りて金利が2.82%とした場合、当初10年間0.3%の引き下げだった場合には、返済総額約4627万円に対し、1.0%になると約4405万円となんと222万円も得になるのです。

【贈与税非課税枠の拡大は今年が最大】

住宅購入資金に限り親などから援助を受ける場合に、暦年課税(1年分の贈与総額に対して税を払う)では、610万円まで無税だったものが、1610万円まで(所得2000万円以下対象)となります。これは相続時精算課税(4000万円まで贈与税なし)では相続時点での使い勝手にやや問題があり利用者が限定的であったことに加え、仮にこれまでさらに1000万円を調達しようとすれば、親からなら275万円の贈与税が、銀行からなら約500万円の利息が必要になった分が軽減される効果は大きいといえます。また、2011年には非課税枠が1110万円までとなります。また、固定資産税や不動産取得税の軽減措置も延長されています。

解説:公共建築物木材利用促進法の詳細

この法が求めるのは大きく2点。国が(1)「基本方針」を定め実践し、木材利用およびその波及に努めること、(2)木材の「適切な供給の確保」が進むようにすることです。前者については、各省庁の長に木材利用の計画を策定することを求めると供に、各都道府県さらに各市区町村に任意ですが方針を作成してもらうことで、地方さらには民間にも木材利用が進むことを期待しています。後者については、必要とされる長大で品質の高い木材の供給能力の向上のために、木材製造業者が設備をしやすくなるよう認定制度を設け、金融支援や工場建設支援を行うとしています。以下に詳細を見ていきます。

【公共建築物等とは】

(1) 国や地方が整備する建築物、(2) 民間が整備する前号に準ずる建築物として政令で定める物。これらには規模や耐火性能などから木造には不向きな物も含まれるために、3階以下の庁舎・宿舎、それ以外の2階以下の建築物を木造化し、規模に関わらず内装などの木質化を推進することになりそうです。また、3階建ての木造校舎や延面積3000m2を越える建築物に係わる規制の見直しも検討されるといいます。民間の建物では、学校、福祉施設、病院、図書館、駅などが政令で規定される模様です。

地方公共団体での動き】

法案の成立を受けて地方でも動きが出ています(日刊木材新聞)。京都府では、地球温暖化対策条例に「府の率先実行の取組みとして府公共建築物の新増築時における府内産木材利用及び再生可能エネルギーの導入について規定します」と明記し、また、「延面積2000m2以上の建物への府内産木材の利用を義務化」する方向で動いているといいます。静岡県では、2階建て以下の公共建築物を原則木造化することや全公共建築物を木質化することを木使いプランに盛り込 むとしています。

【国産材に限らない】

 国の法律としてWTO協定の「内外無差別の原則」に整合が求められるために、外材あるいは輸入製品を排除する条項は含まれていません。「国内において生産された木材その他の木材」と規定することで、国産材の利用拡大の重要性を示しているのみです。

【木材製造高度化計画の認定制度】

木材製造業者には長大材や品質・性能の確かな木材を供給するために加工施設や乾燥機等を導入し、供給能力を向上させることが求められます。このような取組みをしようとする業者が木材製造高度化計画を策定し、農水大臣の認定を受けた時には、計画に従って行う取組みに対して、林業・木材産業改善資金の償還期間を10年から12年に延長するなどにより、事業者負担の軽減が図られます。また、施設を保安林以外の民有林において整備しようとする場合、計画書に明記し、大臣の認定を受けた時には、開発行為にかかる知事の許可を受けたものとみなす特例が適用されます。申請は、個別の事業者でも、共同事業体や協同組合でも可能です。

【JAS材】

前述の認定は製造業者の供給能力の高さを表すものではなく、認定を受けなくても公共建築物向けの木材供給に何ら制約はありません。むしろ、JAS材が求められる場合が想定されますので、JAS認定工場の認定を受けることが重要です。

【その他の木材利用推進】

法第3章には公共建築物以外の木材利用の推進として、木造住宅に関する情報発信の支援、木製ガードレールや防音壁などの工作物の設置支援、木質バイオマスの利用研究(プラスチック製造など)の推進、エネルギー利用のための製造施設や燃焼設備導入推進が規定されています。

教えて!時代のキーワード 合法木材 認証材 LCCM住宅

公共建築物木材利用促進法の提出に先立って、1959年以来「防火、耐風水害のための木造禁止」を表明してきた日本建築学会を中心とする17団体が「木材の積極的利用」を打ち出すなど、歴史的な転換が図られました。この提言の中には「違法伐採による木材の使用禁止」や「間伐材を含めた国産材の積極的利用」などの文言が含まれており、環境への配慮が強調されています。そこで、今後注目されるであろう「合法木材」、「認証材」、新しい住宅の評価「LCCM住 宅」について短くまとめました。

合法木材とはどのような材なのか

政府は、2005年のG8において政府が調達する物品等において合法性、持続可能性が証明された木材を利用すると約束しました。林野庁では、法令に照らして適切に伐採が行われたこと及び持続可能な森林経営がされている森林から産出されたことを証明するための方法として、以下の3パターンを示しています。?森林認証制度、CoC認証制度を活用した方法?森林・林業・木材産業関係団体の認定を得て事業者が行う方法?大企業等の独自の取組による方法。?はいわゆる認証材であり、認証マークが押印された木材・木材製品、伝票等をもって証明されることが必要となります。?は関係団体が、自主的行動規範を作成し、構成員について認定を行い、各流通段階の認定事業者が納入毎に証明書類を交付し、証明の連鎖を形成することが求められます。

あちらこちらで認証材?

認証材とは森林認証材のことでしたが、最近では地域材認証や優良材認証なども認証材と呼ばれるようになりました。森林認証は、日本では世界的な機関であるFSCか、日本自前のSGECが行っています。いずれも適正な森林管理に関する「森林管理認証」と、製品の製造、加工、流通における管理に関する「CoC認証」があり、世界に通用するロゴマークの貼付が目印になります。後者は、都道府県単位の関連団体が○○材認証協議会などを組織し、規範や基準を定めて業者を審査登録し、登録業者が適正に行動するものとして独自のラベルなどで識別されます。地域の適正な森林から伐採され、加工、流通したことを証明する地域材と、製品の品質を明確にした優良材の二通りがあります。

LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)住宅と国産乾燥材

居住時だけでなく、資材の製造、調達、建設、リフォーム、廃棄に至る全過程でのCO2排出量の削減を目指した住宅のこと。認証制度が来年度から開始される見通し。ここで国内乾燥材にとって分が悪い話があります。エネルギー消費の割合が最も高いのが資材の製造時で、特に乾燥時に化石燃料を使用した場合には、北米でバイオマス燃料で生産された輸入乾燥材よりもCO2排出量が高く評価されてしまう恐れがあるというのです。

内部の品質のために(減圧乾燥機)

日経BP社のネットサイト「ケンプラッツ」で内部割れに関する記事が紹介されました。セット時間の管理が不十分で内部割れの大きな材が一部出回っていると伝える一方で、極端な割れでなければ影響はほぼないこと、金物で固定することで影響は少なくなることも合わせて伝えています。生産者側には生産管理の徹底を、木材の施工者には割れを許容し向き合う必要性を訴えています。


必要最小限の高温セットの後、速やかに100℃以下に落とし内部乾燥を進めることが推奨されています。減圧乾燥機では、常圧の乾燥機よりもセット後の内部乾燥を材温をより低くして、より短時間で仕上げることが可能です。

修正挽き適応サイズ拡大(Vカット)

モルダーなどで表面を仕上げた製品は既に一般的になっていますが、さらに直進精度を追及して差別化を図った正角材の流通も増えてきています。これは、曲がりやヒネリの量が大きいとモルダーだけでは直材が得られない場合があるためです。この解決策として、モルダーまたはカンナ盤の前工程で直角2面のかな手を出すムラ取り装置(弊社商品名Vカット)を併用することをお勧めします。Vカットにはこれまで、3m材専用機しかありませんでしたが、この度4m材にもお使いいただけるようになり、さらに、断面寸法3.5寸、4寸角仕上がり材に加えて、4.5寸や3寸角にも対応できる機種が仲間入りしました。

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