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(株)大井製作所ニュース 2007年10月号 Vol.8

日本の製材は今が正念場!?

国内製材に新たな危機が迫る

今年の初め、住宅着工は昨年に続き好調で125万戸を超えるものと見られていましたが、改正建築基準法施行の影響もあり100万戸割れも心配される状況になってきました。しかも法改正の影響の少ないと思われる木造でも、1〜7月の合計で前年比7%の減少となっています。景気が回復していると言うものの、それを実感できている人は限られています。明らかに格差が広がってきているのでしょう。半年前の高揚感から一転、先の読みにくい状況になってきました。外材高騰の影響や健康志向を受けムク材回帰の声も聞こえてはきますが、果たして本流になっていくのでしょうか。09年1月までにロシアが丸太の輸出関税を80%まで段階的に引上げ、事実上丸太輸出を制限し製品輸出にシフトを図ろうとしています。ロシアが供給体制を整備し、品質を上げてくる前に、日本の製材は何を整え生き抜いていくのか、今が正念場なのではないでしょうか。

ロシアで加工体制整備の動き

大手商社などが、輸出税のかからない製材にロシアで加工する事業に相次ぎ乗り出しています。双日が年内にもハバロフスクにベニヤ工場を稼働させるほか、住友商事もロシアの製材工場の出資比率を引き上げ、09年1月から生産規模を増強するとのこと。また、日本貿易振興機構(ジェトロ)によると日本の中堅企業でも、中国の黒龍江省の製材工場に技術者を派遣し、技術供与することで製材の安定供給につなげているケースがあるといいます。また、日本以上に影響が深刻なのは中国。建設需要に対し、木材供給が追いつかない状況。ジェトロによると、ロシアのウスリー地方と国境を接し、木材の一次加工業者が集積する黒龍江省綏芬河市は、ロシア側に1次加工拠点を新設し、原木から輸入を切り替える製材業者が相次いでいるそうです。同市は2次加工技術を持つ外資の誘致を進める計画といいます。

背板の高効率処理で40%増産…1500mmテーブル式ツインバンドソー

東亜林業株式会社(広島県福山市)

米松製材大手の東亜林業さま(小畑智嗣社長)では、第3工場(小丸太用製材工場)のラインを更新され、従来の40%アップの月産7000m3の生産能力に増強されました。この設備更新に伴い、厚い背板を高能率で処理するために弊社が新開発した1500mmテーブル式ツインバンドソー(OST-1500MCC、仕分け装置付)を設備して頂きました。

 

これまで、背板は横バンド1台で処理されていたために、1号機の丸太の大割りでは、径によっては4通しする必要がありました。しかし、今回設備されたツインテーブルでは、2枚の帯鋸を使えるので、厚い背板からも1通しで製品となる板を2枚同時に製材できるようになりました。これにより、1号機の大割りは、全ての丸太を背板を落とすのみの2通しのシンプルな製材スタイルにすることができるようになり、格段の生産性の向上が実現されたのです。さらに、ライン構成もシンプルなものとすることができ、ライントラブルも少なくなったとのことです。

 

 

減圧乾燥機が年内20基に…

大館北秋田森林組合、静岡乾燥センター他

 納入納入先所在地機種名
? 04/02 宮路製材所 和歌山 クリアドライ 8
? 04/08 木脇産業 宮崎 3-4HVK 40
? 04/08 木脇産業 宮崎 3-4HVK 40
? 05/01 龍神村森組 和歌山 クリアドライ 8
? 05/03 押田製材所 福島 クリアドライ 8
? 05/03 沖縄県森連 沖縄 クリアドライ 8
? 05/09 木脇産業 宮崎 3-3HVK 30
? 06/06 オーケンウッド 兵庫 4-3HV 45
? 06/11 北秋田事業所 秋田 4-2HSV 18
? 06/11 北秋田事業所 秋田 4-2HSV 18
? 06/12 大館比内事業所 秋田 3-3HSV 20
? 06/12 大館比内事業所 秋田 3-3HSV 20
? 07/02 丸七ヒダ川ウッド 岐阜 3-2HSV 15
? 07/04 静岡乾燥センター 静岡 3-3HSV 20
? 07/04 静岡乾燥センター 静岡 3-3HSV 20
? 07/06 山長商店 和歌山 4-3HV 45
? 07/06 山長商店 和歌山 4-3HV 45
? 07/08 親和木材工業 岐阜 3-3HV 30
? 07/11 院庄林業 岡山 3-4HVW 50
? 07/12 岡山高次加工 岡山 3-4HVW 50

減圧乾燥機(収容量8〜50m3各種)の納入が好調で、年内に20基に到達します。主な乾燥対象となっている無背割り材では、常圧での高温セットと0.2気圧(沸点約60℃)の中温減圧乾燥を組み合わせることにより、乾燥速度のUPと材色変化の抑制を実現しています。これまでの実績では、スギ黒芯(高含水率)材、スギ平角材の乾燥時間短縮や、高温処理時間の削減による色艶をより残した仕上りに評価を得ています。ヒノキでも色艶への評判が上々です。

 

 

 

 

 

トピック商品?: フォークリフト搬入式中温大型乾燥機

100m3入中温乾燥機(ファーストウッド様)

最近は間柱や筋交などの羽柄材やラミナ板の乾燥に対するニーズが増えてきています。現在引き合いが増えてきているのは、フォークリフトで容易に搬入できる倉庫タイプの大型中温乾燥機でサイズは4タイプがあり、間口約6.5、9、10、13m、収容量は各々約50、65、75、100m3です。ファーストウッド様(福井)に100m3タイプ8基を納入、群馬県産材加工(協)様や岡山高次木材加工(協)様、宮城十条林産様への納入が決定しています。



 

 

トピック商品?:異分野で活躍する製材機械

横バンド

他分野で木質以外の材料の切削に、弊社の製材機械が活躍しています。最近の納入例では、主に型枠合板などの代替に使われるコンクリート系成型物を板状にするために台車と本機(鋸は特殊)のセットが使用されています。また、自動車部品製造で使われるという発泡硬質ポリウレタンの切断にも横バンドが使われています。どちらの商談もホームページを見ての引き合いでした。

 

特集記事 新生産システムの進捗とその行方

新生産システムは、平成18年4月に林野庁が全国11箇所のモデル地域を指定してスタートしました。大型製材工場を中心に据え、森林所有者・素材生産業者からプレカット工場・住宅供給業者を結ぶ流れを合理化し、外材製品に対抗できる国産材製材品の供給体制を構築することを目指しています。加工施設の整備は18年度からの3年間、川上側の整備は5年間を掛けて実施されています。スタートから1年半、その進捗と行方を特集したいと思います。 

 

?加工体制の整備状況

加工体制の整備について弊社が把握している情報を下表にまとめました。大型工場を新設するところもあれば、複数の既設工場への設備の増強、乾燥機導入などにより、供給力を増やすことを選択した地域などがあります。年間3万m3以上の原木を消費する大型製材工場(赤色)についてみると、無垢構造材主体では、奥久慈、岐阜、中日本、大分、宮崎に、ラミナを主体にした工場は高知、熊本、鹿児島に立ち上がることになります。

モデル地域主な加工体制の整備内容
秋田 (H18)大館北秋田森組:KD、(H19)沓澤製材所:製材・KD、加賀谷木材:KD・加工、(H20)東北木材:製材・KD、大型製材工場新設は21年度以降になる見通し
奥久慈八溝 (H18)協和木材:新工場移設、2交代10万m3(将来3交代・15万m3)、(H20)木屑ボイラー(5t)、KD、内装加工
岐阜広域 (H18)(H19)飛騨高山森組:製材工場・KD(スギ平角、西村木材店技術協力)、(H19)親和木材工業:製材・KD・加工機(スギ柱、乾燥、注入) 
中日本圏域 (H19)西村木材店:ヒノキ乾燥材新工場、製材ワンウェイライン(7万m3)、木屑ボイラー、高周波KD
四国地域 (H18〜20)四国内の複数の事業所:KD、木屑ボイラー、加工機、プレカット機など導入。
高知中央東部 (H20)土佐板挽専用製材協組(仮称):新製材工場、杉ラミナ、間柱、5万m3(15m3/日・人、将来10万m3)、銘建工業への販売、池川木材工業:間柱KDモルダー
岡山 (H19)岡山高次木材加工協組(豆原代表):新加工工場、賃乾燥、間柱や板加工、共同販売、(H20)院庄林業:既設製材ライン増強
熊本 (H19)協組くまもと製材(中島代表):新製材工場、杉ラミナ、間柱、5万m3(将来10万m3)、木屑ボイラー発電、銘建工業への販売、複数企業:KD、加工機導入
大分 (H19)佐藤製材所:桧新製材工場、KD、モルダー、瀬戸製材:羽柄材ライン、KD、武内製材所:KD、木屑ボイラー、プレーナ、安心院製材、ヤマサ:KD、ボイラー、他新貝商店、井上製材所、ネクストなど
宮崎 (H19)持永木材:大径材新製材工場、構造材、間柱KD材増産、外山木材;大径材新製材工場、構造材、羽柄材、オールKD、3万m3増産
鹿児島圏域 (H18〜20)山佐木材:既設設備増強、新工場、ラミナ増産、杉集成管柱生産、木屑ボイラー導入など。
?大型工場の乱立

新生産システムによる大型工場の立ち上げ以外に、独自にあるいは県などが率先して計画を進めている地域も出てきました。特に東北では、岩手雫石では年間10万m3の杉ラミナ工場が建設中、宮城石巻では6万m3の杉一般製材工場が完成、秋田中央でも計画があります。福島や山形に既存の大型工場もあり、杉を使う合板工場も多いことから、原木の争奪戦になることは必至に思われます。また、九州特に宮崎地域でも、大径材用製材工場の新設、ラミナ大型工場の計画などが目白押しで、丸太需要は一気に跳ね上がる見込みです。

?客層を掴む

大型工場は量産によるコストダウンを宿命付けられるために、原木の安定確保と製品の売り先の確保がなにより重要になります。販売量を確保するためには、集成材を使用している一定品質以上であることが明確な規格材を欲しがっている客層を掴む必要があるのでしょう。一方で、量産ゆえに製品の種類、サイズは限定する必要があり、大型工場のみでは需要をカバーすることは不可能です。規格品ではない注文材を求める客層も存在し続けるわけで、原木の手当てが難しくなっていく中で、中小製材がどう生き抜いていくのかも今後の重要な課題になってきます。

近くにお越しの際は是非お立ち寄りを!

近年になく、弊社の工場が製作中の機械で埋まっており、スタッフも忙しく働く日々が続いています。現在製作中の機械は、ヤマサンワタナベさま(栃木)向けの1100mmツインバンドソーと柱修正挽機Vカット、いしいさま(茨城)のツイン丸鋸が12月出荷、川井林業さま(岩手)の大径材用の1500mmツインバンドーソーと全長55mにおよぶ1500mmツインバンドソーとチップキャンター2セットをつなげたワンウェイライン、テーブルバンドソー、センターカットソーが1月出荷、持永木材さま(宮崎)向けの1350mmロボット(ノーマン)ツインバンドソー、横バンド、テーブルバンドソーが1月出荷で、忙しいながらも慎重に製作が進められています。

 

これらの機械が12月には、完成に近づいた形で工場内に並ぶことになります。ユーザーのみなさまもお忙しい日々を過ごされておられると思いますが、お近くをお通りの際は是非弊社にもお立ち寄りください。

 

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