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減圧乾燥の話

減圧乾燥はなぜ速く乾くのか

1.水の拡散

通常、乾燥は材の表面から進んでいきます。表面の含水率(水蒸気分圧で考えることもできる)が低くなると、その内側の含水率の高い部分から水分が表面に移動し、表面で蒸発することが繰り返されながら、より内部へと乾燥が進んでいきます。このように、含水率の高い部分から低い部分へ水分が移動することを水の拡散といいます。水の拡散は材表面と内部の含水率差(水蒸気分圧の差)が大きいほど、また材温が高いほど、速くなります。
つまり、材に損傷が起こらない程度であれば、乾湿球温度差を大きくして表面の含水率を下げ、乾球温度を高くして材温を高くすれば、乾燥が速く進むことになります。

2.乾燥時間

乾燥される材には厚みがあるので、木材中の水分移動が乾燥時間を支配します。一般的に水分移動は、拡散により起こりますが、含水率が低い部分ほど拡散速度が遅くなる傾向があり、材表面から乾いた層が内部に拡がるにつれ、乾燥の進行(乾燥速度)は遅くなります。一般の乾燥では、材の厚みが2 倍になると乾燥時間はその二乗の4 倍になるといわれます。

3.圧力差

木材内の圧力が高く、外部の圧力が低い状態は水分移動が速く起こる好ましい条件です。内部の自由水を沸騰させて圧力を高め、外部の圧力を低くして、材内外の圧力差をつくり、水蒸気の流動を起こさせる乾燥方法が減圧乾燥です。

 

弊社の減圧乾燥は、常圧(1 気圧)と減圧(0.5〜0.2 気圧)を繰り返すことで、材内部の温度を常圧時に減圧した時の沸点以上の温度にしておき、短時間に機内を減圧状態にすることで、材内部で液体の自由水を沸騰させて数千倍の体積の水蒸気にすることで圧力を高める一方で、材の外周の圧力を低くすることにより、この圧力差(絶対圧力の差)で材内部の水分を表面へ速やかに移動させることが出来ます。

 

詳細に考察してみると、木材内部は細胞壁で仕切られており、細胞間をつなぐのは壁孔など(一部の樹種では樹脂道や道管)の僅かな隙間と壁内の分子レベルの隙間しかなく、半密閉状態です。木材内での沸騰は、減圧された気相と接する部分で徐々に起こるものと考えられます。その間、沸騰により内部の温度は次第に下がり外部の気圧の沸点温度になり、外部との圧力差が小さくなり、圧力差による水分移動は弱くなります。そこで、大気圧に戻し、材中心温度を再び上げることを繰り返し、水の拡散だけの水分移動に加え、圧力差による水分移動が活発に起こるようにしています。

ポイント  一般に内部の水分の移動は、拡散により起きている。
ポイント  乾燥時間は、内部水分の移動時間により決まる。
ポイント  減圧乾燥では、拡散に加え、圧力差による水分移動がプラス。

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